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 2011年3月11日、東日本大震災が発生した。

 ほとんどの人が経験したことのない激しい地震と、その直後の大津波が襲い、さらには福島原発事故が起こり、東北地方から東日本一帯の太平洋岸地域は、未曾有の被害を受けるに至った。

 あれから、まもなく7年が経過しようとしている。被災各地で復旧・復興の姿を見せ始めているものの、地域間に格差が見られ、未だに復旧の目途も立たない地域も残されているという状況である。

 また、震災とその後に発生した諸問題に対する各方面の対応の中に、常識や真実とされていたものに対する大いなる疑念を生じさせることも様々に起こった。

 この震災は、「千年に一度」の規模とも言われている。そうであるならば、その記憶と記録は、千年に渡るものでなければならないのではないか。

 しかしながら、国内全体を見渡すと、いや被害の甚大であった東北地方内においても、震災の記憶は薄れつつあり、既に忘れ去られようとする傾向も見られる。

 私たちは、このような状況に大変な危機感を覚える。

 私たちは、被災地と被災者に寄り添い、生涯一緒に居続けることを決意した。

 そのことは、単に被災地の物理的な復旧・復興を支援することを意味するのではなく、犠牲者の鎮魂と残された被災者の精神を慰撫するに留まるものでもない。これらは、すべての国民の当然の責務であるからである。

 だから、私たちがここであえて活動を開始する目的は、物心ともに受けた破壊と絶望を、創造と希望に昇華することでなければならないであろう。

 そこで、この目的の実現の為に、「大いなる疑念=現代日本における構造的問題」を抽出し、その解決策を導き出すプラットフォームとして、本学を立ち上げることとした。

 そして、ここで創出されていく新しいパラダイムや具体的な提案が、被災地東北から全国や全世界への希望の架け橋となり、被災世代から次世代やその先の未来の子どもたちへの希望のバトンとならんことを切に願う。

 

                                                                            2018年2月4日

 

                                                     特定非営利活動法人 東北みらい大学          

                                                                    代表理事 学長 菅原 得雄

​設立趣旨

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